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銅の3倍の熱伝導率をもつ「θ-TaN」発見 / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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「銅の3倍」の熱伝導率をもつ”常識を覆す金属材料”を発見

2026.01.29 11:30:51 Thursday

熱伝導率の高い「銅」は、スマートフォンやパソコン、データセンターなど、さまざまな電子機器の放熱部材として欠かせない存在です。

電子回路が発する熱を素早く逃がすことで、性能低下や故障を防いできました。

ところが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームは、その銅の3倍の熱伝導率を示す金属材料を発見しました。

この研究成果は、2026年1月15日付で『Science』に掲載されました。

Newly discovered material conducts heat nearly 3x faster than any metal https://newatlas.com/materials/metallic-material-conducts-heat-3x-tantalum-nitride/ UCLA-led team discovers metallic material with record thermal conductivity https://newsroom.ucla.edu/dept/faculty/tantalum-nitride-record-thermal-conductivity-ucla-research
Metallic θ-phase tantalum nitride has a thermal conductivity triple that of copper https://doi.org/10.1126/science.aeb1142

銅の熱伝導率の限界をはるかに上回る金属材料を発見

「熱伝導率」はその数値が大きいほど、熱を速く運べる材料だということを示します。

銅は室温で約400 W/mKという高い熱伝導率を持ち、加工しやすく、価格も比較的安定しています。

そのため、ヒートシンク(電子部品から出る熱を受け取り、空気中へ逃がすための金属部品)や配線、基板材料として長年にわたって使われてきました。

実際、ヒートシンクなどに使われる熱マネジメント材料の市場では、銅が主役で、全体の約30%を占めています。

しかし、銅がいくら優秀でも「これ以上は伸びにくい」とされてきた理由があります。

それは、金属の中で熱が運ばれる仕組みにあります。

金属では、熱は主に「自由電子」と「フォノン(原子の振動)」によって運ばれます。

ところが、電子は原子の振動に邪魔され、フォノン同士も衝突を繰り返します。

こうした相互作用が、熱の流れにブレーキをかけてしまうのです。

このため、銅や銀のような金属では、熱伝導率はおよそ400 W/mK付近で頭打ちになると考えられてきました。

金属の熱伝導には、物理的な限界があると見なされていたのです。

ところが今回、その前提を覆す可能性のある新しい金属材料が見つかりました。

次ページ「銅の3倍」を実現した新しい金属材料「θ-TaN」

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