親切に対する「お返し」は、対等な関係で生じやすい
私たちは一般に、親切にされたら相手に返すべきだと考えます。
このような「互恵性」は、心理学や行動経済学において、協力関係を維持する基本的な仕組みと考えられてきました。
しかし、実際には親切が必ずしも交代制になるとは限りません。
たとえば上司が部下に毎回コーヒーを買ってくれているなら、次は部下が上司におごると予想するより、「また上司が買うのだろう」と考える人も多いはずです。
こうした発想は、文化人類学や社会学の分野では以前から指摘されてきました。
そこで研究チームは、親切を受けた人が次にお返しすると考えられるのか、それとも前回親切にした人が再び同じように親切をすると考えられるのか、人間関係を含めて人々の認識を調べました。
研究は6つのオンライン行動実験で構成され、対象は米国の成人599人です。
前半の4つの実験では、参加者が短い物語を読みました。
物語には、会議で一方がコーヒーを買う、食事を準備して片づける、相手の好みに合わせるといった日常的な場面が登場します。
参加者はその後、「次に同じ場面が起きたら、親切を受けた側がお返しすると思うか」「前回親切にした人が再び同じ行動をすると考えるか」を予測しました。
さらに後半の2つの実験では、参加者自身が報酬つきのゲームに参加し、相手との関係が対等か、上下差があるかを踏まえて実際に行動を選びました。
その結果、対等な関係では「次は相手がお返しする」と予測されやすく、上下差や役割差のある関係では「前回親切にした人が、次も同じ役割を担う」と予測されやすいことが明らかになりました。
では、具体的にどのような違いが見られたのでしょうか。より詳しい結果を見ていきましょう。



























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