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若手研究員のメンタル不調が明らかに / Credit:Canva
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若手研究者の3人に1人がメンタル不調を抱えている

2026.06.30 11:30:47 Tuesday

科学研究は、医療、環境、技術、教育など、国や世界の未来を支える重要な営みです。

その最前線を担う博士課程の学生やポスドク(博士研究員)などの若手研究者たちは、新しい知を切り開く一方で、実は深刻な心理的負担にもさらされているようです。

ウィーン大学(University of Vienna)の研究チームは、約14万人の若手研究者を対象にした過去最大規模のメタ分析から、約3人に1人が心理的苦痛の高まりを報告していることを明らかにしました。

研究の詳細は、2026年6月29日付の『Nature Human Behaviour』に掲載されています。

Nearly one in three early-career researchers report elevated psychological distress https://medicalxpress.com/news/2026-06-early-career-elevated-psychological-distress.html
Prevalence and severity of mental health problems in early-career researchers: a systematic review and meta-analysis https://doi.org/10.1038/s41562-026-02505-5

若手研究者のメンタル不調を過去最大規模で調査

近年、大学や研究機関では、若手研究者のメンタルヘルスが大きな問題として注目されています。

博士課程の学生やポスドクは、研究の未来を担う存在でありながら、短期契約、将来の不安、強い競争、論文発表のプレッシャー、指導者との関係など、多くのストレス要因に囲まれています。

しかしこれまで、若手研究者の心理的苦痛がどれほど広がっているのか、どの程度深刻なのかは、研究ごとに結果がばらついていました。

そこで研究チームは、世界中の先行研究を集めて統計的に統合する「系統的レビュー・メタ分析」を行いました。

対象となったのは、148本の研究と4つの主要データベースから得られた228サンプル、合計13万8446人の若手研究者です。

ここでいう若手研究者には、博士課程学生や博士号取得後まもないポスドクなどが含まれます。

また、調査対象となった不調は、抑うつ、不安、ストレス、睡眠障害、摂食障害、問題のある飲酒、自殺念慮など幅広いものでした。

その結果、若手研究者の29.9%が、何らかの心理的苦痛についてスクリーニング基準を超えていると推定されました。

抑うつ症状は29.8%、不安症状は29.7%、問題のある飲酒は22.9%、自殺念慮は18.8%にのぼりました。

では、この数字をどれほど重く受け止めるべきなのでしょうか。

より詳細な結果は次項で見ていきます。

次ページ「個人の弱さ」ではなく、学術界の構造が関係している可能性

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