浮かび続ける宇宙で、どうやって身体を撮影するのか
X線撮影では、X線を出す装置と画像を受け取る検出器の間に、撮影する身体の部位を正確に置く必要があります。
しかも撮影の間、装置と身体を動かさずに保たなければなりません。
地上では当たり前に思えるこの作業も、人体や機器が浮かぶ微小重力環境では難題になります。
そのため宇宙では、探触子(たんしょくし、超音波を発信・受信するセンサー)を身体に直接当てられる超音波検査が、40年以上にわたって主要な画像診断法として使われてきました。
ただし超音波検査は撮影者の技量に左右されやすく、画像の取得と解釈にも訓練が必要です。
そこで研究チームは、市販の超小型デジタルX線発生装置と平面型検出器を、スペースXの民間宇宙飛行ミッション「Fram2」に持ち込みました。
Fram2は2025年3月31日に打ち上げられ、約3日半にわたって地球の極軌道を飛行したミッションです。
研究には4人の乗員のうち3人が参加。
乗員は医療従事者ではなく、装置の操作や身体の位置合わせについて受けた訓練は合計4時間だけでした。
軌道上では地上からのリアルタイム支援を受けず、静止画と文章による手順書を頼りに撮影しました。


































