土星の中はどうなっているのか?
土星や木星は巨大ガス惑星に分類される惑星で、その表面は独特の縞模様で覆われています。
子供の頃、この不思議な表面をみて、この惑星は降りるとどうなっているんだろう? という疑問を抱いた人は多いのではないでしょうか。
ガス惑星はその名の通り、水素やヘリウムといった分厚いガスの層によって覆われています。
縞模様の表面は、いわば惑星を覆う雲であり地面ではありません。
しかし、そもそもこのガス惑星には地面と呼べるものがあるかどうかもはっきりしていません。
分厚い大気の層は、惑星の深部へ向かった場合、非常に高い大気圧としてのしかかってきます。
そのため、ガス惑星の内部では高い圧力から水素が液化し、さらに深部では水素が液体金属となって層を作っていると予想されています。
そして最終的には、惑星のコアに到達してしまうと考えられるのです。
コアを地面と呼んでいいのか、というと厳しい感じがしますね。
つまりガス惑星は明確な地面は持たない惑星なのです。
とはいえ、ガス惑星の中心を構成するコアは、ずっと岩石や氷の硬い塊だと考えられてきました。
これは木星に関する内部構造を予測したイラストですが、このように長い間、ガス惑星にはちゃんと固体のコアがあると信じられていたのです。
しかし、一部の研究者は土星の中心には、そんな明確な固体のコアがない可能性も指摘していました。
そして、今回の研究は、土星探査機カッシーニが13年にわたって集めたデータを使用し、土星には地面どころか明確な境界のあるコアさえないという最初の証拠を提示したのです。