死んだ虫がひっくり返る「2つの要因」
その1:虫は背中側が重い
死んだ虫がひっくり返る要因の1つは、虫の重みが上部に偏っていることです。
より正確にいえば、「背中側が重い」と表現してもいいでしょう。
昆虫の体のうち、通常上を向いている側は、科学的には「背側面」と呼ばれますが、この部分は下側よりも重い傾向があります。
昆虫の脚は、全然重くありません。
一方、内臓や翅(はね)、翅を覆う硬い部分などはかなりの重さがあり、体の背中側に集まっています。
そのため、昆虫が脚の筋肉を使って姿勢を保てなくなると、簡単にあお向けに倒れてしまうのです。
その2:死ぬと脚が内側に丸まる
さらなる要因として挙げられるのが、脚の筋肉の変化です。
生きている虫は、脚を伸ばして地面を押し、体を持ち上げることで姿勢を維持しています。
私たちから見ると、虫は何もせず立っているように見えますが、実際には脚の筋肉を使い続けています。
ところが、虫が弱ったり死に近づいたりすると、筋肉に力を入れ続けることが難しくなります。
すると、脚はまっすぐ伸びた状態を保てなくなり、自然な位置へ戻るように内側へ曲がるのです。
人間の手でも、似た変化を確認できます。
手のひらを上に向けてテーブルに置き、指の力を完全に抜くと、指はまっすぐ伸びたままではなく、わずかに内側へ丸まるでしょう。
指を完全に伸ばすためには、筋肉を使わなければならないからです。
虫の脚でも、これと似たことが起きています。
脚が内側へ折りたたまれると、地面に接して体を支えていた範囲が狭くなり、虫の姿勢は急激に不安定になります。
そこへ背中の重さが加わって、虫は横倒しになり、そのまま背中を下にして転がることがあるのです。






























