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既知種のバオバブの木/ Credit: canva
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新種の「バオバブの木」をマダガスカルで発見

2026.08.21 12:00:42 Friday

マダガスカルを代表する植物といえば、太く膨らんだ幹と、空に向かって広がる独特な枝を持つ「バオバブ」です。

その独特の姿から世界的にもよく知られていますが、意外にも、私たちは今でも「バオバブが何種いるのか」という基本的なことさえ完全には把握できていません。

米ウィスコンシン大学マディソン校(UWM)は今回、マダガスカル各地のバオバブを遺伝子レベルで詳しく調査。

その結果、これまで同じ種だと思われていた木の中に、実は別の進化の歴史を持つ集団が隠れていたことが判明しました。

その木は、新たに独立種として認められた「アダンソニア・ボジー(Adansonia bozy)」です。

研究の詳細は、2026年7月12日付で学術誌『Taxon』に掲載されています。

New Baobab Species Identified in Madagascar https://www.sci.news/biology/adansonia-bozy-14995.html Research differentiates new species of endangered baobab tree in Madagascar https://biology.wisc.edu/2026/08/17/research-differentiates-new-species-of-endangered-baobab-tree-in-madagascar/
Phylogenomic analysis of Madagascar’s baobabs reveals admixed populations and supports resurrection of a previously described species https://doi.org/10.1002/tax.70176

「1種」だと思っていたバオバブが、遺伝的には2つに分かれていた

今回の研究以前、バオバブ属は世界で8種が認められており、そのうち6種がマダガスカルに固有とされていました。

中でも「アダンソニア・ザー(Adansonia za)」は、マダガスカルで最も広い範囲に分布するバオバブの1つです。

ところが以前から、北部に生えるA. zaには、南部のものとは少し異なる特徴があることが知られていました。

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マダガスカルに生息する既知の6種のバオバブのおおよその分布域 / Credit: Karimi et al., TAXON (2026)

研究チームは、この違いが単なる地域差なのか、それとも別の種と呼べるほど大きな違いなのかを確かめるため、マダガスカル各地から集めたバオバブを遺伝子レベルで比較することに。

解析には、比較対象となる別の植物も含めた70サンプルが用いられ、そのうち58サンプルがマダガスカルのバオバブでした。

研究では「ターゲット・シーケンス・キャプチャー」と呼ばれる手法を使い、数百の遺伝子に相当するDNA配列を読み取って、バオバブ同士の進化上の関係を詳しく調べています。

すると、これまでA. zaとしてまとめられていた木が、遺伝的には明確な2つのグループに分かれることがわかりました。

南部のA. zaに対し、北部に生息する集団は、南部の仲間よりもむしろ別種の「A. perrieri」や「A. madagascariensis」に近い関係にあったのです。

つまり見た目が似ていたため同じ種にまとめられていたものの、その「家系図」をDNAから作り直してみると、北部の木は別の枝に属していたことになります。

しかも違いは遺伝子だけではありません。

北部の集団には、葉の構造や花びらの色などにも南部のA. zaとは異なる特徴が知られていました。

これらの証拠を総合したチームは、北部集団を独立した新種と判断し、「アダンソニア・ボジー(Adansonia bozy)」という名前をつけました。

これによって、マダガスカルに生息するバオバブは6種から7種へ、世界全体では8種から9種へ増えることになります。

次ページ100年以上前に名付けられたバオバブが「新種」として復活

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