鉄が足りない戦時中に生まれた「氷の軍艦」計画

鉄とアルミが足りなかったからです。
第二次世界大戦のさなか、イギリスの発明家ジェフリー・パイクが、ほぼ凍った水だけで船を造る案を出しました。
連合国側は、この案を真面目に検討しました。
氷山の上を平らに削って、史上最大の空母にする。
名付けて「ハバクック計画」。
ところが、ノーベル化学賞を受けた化学者マックス・ペルツが、天然の氷山では大きさも安定さも足りないと指摘します。
そこでパイクが考えたのが、水に木のパルプを混ぜて凍らせた、丈夫な氷でした。
型に流しやすく、削りやすく、安く作れる。
この氷は「パイクリート」と名付けられ、見込みがあると思われました。
しかし、遠くまで運べる船が急に手に入るようになったこともあり、計画はほとんど進まないまま終わります。
以来パイクリートは、技術者の間で「変わった材料」として知られるだけでした。
弱点も、はっきりしていました。
研究チームによると、木のパルプのセルロース繊維が氷の中でばらばらに散らばっているため、強さに限りがあるのです。
繊維をもっと細かくし、細かい網の目を立体の骨組みとして結び付ける。
そうすれば、氷はもっとコンクリートに近づくと研究チームは考えました。
では、氷の中で繊維同士をどうやって結び付けるのでしょうか。
























