噛みつきはフェロモン注入を確実にするため
今回の研究により、私たちと同じ脊椎動物であるカエルに、歯という物理的な力(皮膚傷害)を用いたフェロモンの直接的な伝達方法がある可能性が示されました。
空気中や水中に拡散するタイプのフェロモンは相手に届くかどうかはランダムです。
しかし今回の研究でみつかった変態カエル(口周り)のように、相手の体内に直接フェロモンを打ち込むことができれば、生殖の成功率を劇的に高めることができるでしょう。
特にカエルの場合、メスが出した卵にオスが精子を吹きかける体外受精タイプの交尾のため、メスの産卵をうながす仕組みはオスにとって有利に働くと考えられます。
研究者たちは今後、噛みつき型のフェロモン伝達がメスの体にどのような変化を与えるかを、より詳細に調べていくとのこと。
体外からの注入によるフェロモンが人間の本能にも作用する場合、血中への投与によって精神や肉体に作用を発揮する、新たな薬が開発されるかもしれません。