全ての人がZoom会議を嫌っているわけではなく、個人の特性の問題だった
クーン氏は、Zoom会議に対する態度とセルフビューの関係を探るため、2020年の夏から秋にかけて調査を実施しました。
調査に参加したのはアメリカ各地に住んでいる80人以上のリモートワーカーとオンライン授業に移行した約350人の学生たちです。
参加者たちはZoom会議の内容や会議中の自分の感情についてさまざまな質問に答えました。
その結果、どちらのグループにおいても、自意識が高い人ほど自分の顔を見る頻度が高く、Zoom会議が嫌いだと判明。
逆に自意識が低い人ほど自分の顔を見ず、Zoom会議に対して前向きだと分かりました。
つまりセルフビューによって生じるWeb会議へのネガティブな感情は、すべての人が感じているものではなかったのです。
むしろ自意識過剰なことに原因があったようです。
一部の人々はセルフビューに映る自分の顔を気にしすぎて、疲れを増幅させていたのです。
とはいえ、これがZoom疲れの原因のすべてではありません。
またクーン氏によると、「Web会議の満足度に影響する要素はセルフビュー以外にもたくさんある」ようです。
例えば、カメラのオンオフのタイミングを自分でコントロールできる状況にあるかどうかも重要な要素となっていました。
さて、今回の新しい研究結果は、Web会議システムを利用する学校や会社にとって有益な情報となるでしょう。
Zoom会議に否定的な意見を述べる人はいるものの、それには個人の特性が大きく影響していたのです。
とはいえ、特性の違いによってひどく疲れる人がいるのも事実であり、これら個人差にどのように対応していくかが今後の課題となるでしょう。