赤外線照射を利用した視覚障がい者用ゴーグル
視覚障がい者にとって、一人で歩行するのは簡単なことではありません。
白杖は周囲に障害物がないか確認しながら歩くのに役立ちますが、それでも自分から半径1mくらいしか判断できません。
では、健常者が見ているように周囲全体を知覚し、一人で障害物を避けていくことは可能でしょうか?
この課題に取り組んだのが、マヌエル・ザーン氏ら研究チームです。
彼らは深度カメラ(3Dカメラ)を利用して、障害物の位置を把握できる視覚障がい者用ゴーグルを開発しました。
深度カメラとは、赤外線などを利用して、奥行き(深度)の情報を取得するカメラです。
いくつかのタイプでは赤外線照射を利用しているため、「暗闇でも」周囲の状況や奥行きをはっきりと把握できます。
研究チームは、この深度カメラと小型コンピュータを新型ゴーグルに内蔵することで、「いわば絶えず暗闇の中にいる視覚障がい者でも」周囲の状況と奥行きを把握できるようにしました。
しかし、目の見えない人のその情報はどうやって伝えれば良いのでしょうか。
研究者たちは、この問題を解決するため振動を伝える機械である「バイブレータ」を使用しました。