視覚障がい者用ゴーグルで障害物の位置を把握できる
視覚障がい者用ゴーグルで障害物の位置を把握できる / Credit:Manuel Zahn(TUM)et al., arXiv.org(2022)
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視覚障がい者向けに奥行きを感じるゴーグルを開発 (2/2)

2022.01.24 Monday

前ページ赤外線照射を利用した視覚障がい者用ゴーグル

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赤外線と腕の振動で奥行きを把握できる

開発された視覚障がい者用の新型ゴーグルは、次の仕組みで作られています。

最初に深度カメラが、装着者視点の画像を撮影。

深度情報をアームバンドに伝える
深度情報をアームバンドに伝える / Credit:Manuel Zahn(TUM)et al., arXiv.org(2022)

次に内蔵された小型コンピュータが、その画像を25個(5×5の配列)に区分けします。

奥行き情報に基づいて、それぞれの区画ごとに「障害物レベル」を判定。

その後、この情報は腕に装着したアームバンドに送られます。

そしてアームバンドにも画像の区画に対応した25のバイブレータが付いており、障害物レベルに応じた振動が加わるようになっています。

25個のバイブレータが付いたアームバンド
25個のバイブレータが付いたアームバンド / Credit:Manuel Zahn(TUM)et al., arXiv.org(2022)

例えば、廊下を歩く装着者は、アームバンドの両端の列が強く振動していることから、これらが廊下の側壁だと分かります。

また中心に向かって振動が弱くなっているため、「この方向には障害物がなく、通路が続いている」と判断できるのです。

装着者は、主観映像をアームバンドの振動で絶えず知覚できるため、目が見えなくても奥行きを感じながら障害物を避けて歩けます。

テストのコース
テストのコース / Credit:Manuel Zahn(TUM)et al., arXiv.org(2022)

実際に行われたテストでは、障害物ありの複雑な通路を98%の精度で移動することができました

5人の参加者全員が1回目でコースをクリアでき、しかも何度か繰り返すことで、さらに早くゴールできたとのこと。

この新型ゴーグルのメリットは、デバイス自体がコンパクトである点と、他の感覚を阻害しない点にあります。

ゴーグルとアームバンドだけなので、歩行や聴覚情報を妨げることがないのです。

視覚障がい者の活動範囲を大きく広げる可能性があるため、「使ってみたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

商品として完成するときを期待して待ちたいですね。

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