ホオジロザメに負けない新素材を開発
ホオジロザメは人を襲う場合があるサメであり、映画「ジョーズ」のモデルになるほど、恐怖のイメージが定着しています。
もちろん、ホオジロザメによる実際の被害も起きています。
特にオーストラリアでは、ホオジロザメに襲われて手足を失ったり死亡したりする事件が頻発しているようです。
そしてそれらの主な死因は、咬傷による「失血死」でした。
では、サーファーたちをこの問題や不安から解放する方法はあるのでしょうか?
シャークストップ社の創設者であるヘイドン・バーフォード氏は、「サメの強力なアゴと鋭い歯に負けない頑丈なウェットスーツがあればよい」と考えました。
そこで、フリンダース大学のサメ研究者であるチャーリー・フーヴァニアーズ氏らと共に、4年間、ホオジロザメの咬傷を軽減する新素材を研究してきました。
その結果、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ナノファイバーをネオプレン(クロロプレンゴム)に組み込んだウェットスーツ素材の開発に成功。
ネオプレンは従来のウェットスーツに使用されている素材で、耐寒性・伸縮性・撥水性に優れています。
そこに鋼の8~15倍の比強度をもつ超高分子量ポリエチレン(通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレン)を組み込んだのです。