全固体電池の課題点
従来の電池(バッテリー)は、2種類の電極(金属)と液体電解質(電解液)で成り立っています。
この液体電解質によってイオンが電極間をスムーズに移動し、電流を生み出せるのです。
ところが液体電解質にはデメリットがあります。
液体ゆえ「液漏れ」が生じやすく、これを防ぐためには頑丈な容器が必要なのです。
そのため電池を薄くしたり変形させたりすることは難しく、小型化には向いていませんでした。
そこで注目されているのが、固体の電解質を使った「全固体電池」です。
素材全てが固体なので液漏れの心配がありません。
また形状を自由に変えられるので、小型化にも向いています。
ところがやはり、全固体電池にもデメリットがあります。
固体電解質は液体電解質よりもイオンが移動しづらく、電池としての出力が小さいのです。
では、小型化と性能アップの両立は可能なのでしょうか?
シュミット氏ら研究チームは、全固体電池を薄くして丸めることで、この課題をクリアしました。