ナハ・ジャレー地域で発見されたラフレシア(直径52㎝)
ナハ・ジャレー地域で発見されたラフレシア(直径52㎝) / Credit:竹内 やよい(国立環境研究所)ら_世界最大の花・ラフレシアの新産地とその生態の解明(2022)
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知名度の割に生態に謎の多い「世界最大の花ラフレシア」に新事実! (2/2)

2024.09.21 Saturday

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現実のラフレシアのほとんどは「クサイハナ」止まりだった!?

研究チームは、マレーシア・サラワク州ナハ・ジャレー地域で新しく見つかったラフレシア種の個体群を解析しました。

その結果、サラワク州の象徴種であるラフレシア・トゥアンムデ(学名:Rafflesia tuan-mudae)だと判明。

さらに、ラフレシアの成長過程を次のように観測できました。時間の順序は画像のアルファベットに対応しています。

ラフレシア花芽の発達段階
ラフレシア花芽の発達段階 / Credit:竹内 やよい(国立環境研究所)ら_世界最大の花・ラフレシアの新産地とその生態の解明(2022)
  • (a)ラフレシアの花芽はホスト植物の幹上に形成。写真は2.5cmの花芽
  • (b-d)1年かけてゆっくりと成長
  • (e)開花直前には直径25~30cmまで成長
  • (f-g)成熟した花芽は2日程度かけて開花
  • (h)完全な開花が1~2日続く
  • (i)その後急速に腐敗

ラフレシアの花芽の成長は、初期および若年期(直径10cmまで)で非常に遅いものの、開花直前には急激に成長すると判明。

また成長に約1年かかるものの、「開花するのは数日間だけ」という事実も再確認できました。

さらに今回は、ラフレシアの花芽の死亡率も調査しました。

その結果、場所によっては8割以上の花芽が開花に至る前に死亡していたとのこと。

ラフレシアは非常に脆弱な植物だったのです。

ポケモンのナゾノクサ、クサイハナ、ラフレシア
ポケモンのナゾノクサ、クサイハナ、ラフレシア / Credit:任天堂

ポケモンでは「ナゾノクサ → クサイハナ → ラフレシア」と進化させるのは、そこまで難しくありません。

しかし現実のラフレシアのほとんどは、「クサイハナ」止まりで死んでしまうようです。

さて今回の発見により、ラフレシアの生態をより深く理解できました。

今後は、ラフレシアの死亡要因を把握し、「幻の花」をどのように保護できるか考慮していく必要があるでしょう。

※この記事は2022年3月に公開のものを再掲載したものです。

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