現実のラフレシアのほとんどは「クサイハナ」止まりだった!?
研究チームは、マレーシア・サラワク州ナハ・ジャレー地域で新しく見つかったラフレシア種の個体群を解析しました。
その結果、サラワク州の象徴種であるラフレシア・トゥアンムデ(学名:Rafflesia tuan-mudae)だと判明。
さらに、ラフレシアの成長過程を次のように観測できました。時間の順序は画像のアルファベットに対応しています。
- (a)ラフレシアの花芽はホスト植物の幹上に形成。写真は2.5cmの花芽
- (b-d)1年かけてゆっくりと成長
- (e)開花直前には直径25~30cmまで成長
- (f-g)成熟した花芽は2日程度かけて開花
- (h)完全な開花が1~2日続く
- (i)その後急速に腐敗
ラフレシアの花芽の成長は、初期および若年期(直径10cmまで)で非常に遅いものの、開花直前には急激に成長すると判明。
また成長に約1年かかるものの、「開花するのは数日間だけ」という事実も再確認できました。
さらに今回は、ラフレシアの花芽の死亡率も調査しました。
その結果、場所によっては8割以上の花芽が開花に至る前に死亡していたとのこと。
ラフレシアは非常に脆弱な植物だったのです。
ポケモンでは「ナゾノクサ → クサイハナ → ラフレシア」と進化させるのは、そこまで難しくありません。
しかし現実のラフレシアのほとんどは、「クサイハナ」止まりで死んでしまうようです。
さて今回の発見により、ラフレシアの生態をより深く理解できました。
今後は、ラフレシアの死亡要因を把握し、「幻の花」をどのように保護できるか考慮していく必要があるでしょう。
※この記事は2022年3月に公開のものを再掲載したものです。