無自覚でも「スマホ難聴」は進行している
スマホの普及により、多くの人が屋外でも気軽に音楽を聴いたり、動画を視聴したりできます。
特に通勤・通学時などの隙間時間では、今やスマホが欠かせません。
お気に入りの音楽や動画をヘッドホンやイヤホンで聴いている人は多いでしょう。
しかし、これらの要素が重なることで、若者たちの難聴が増えています。
音楽を聴く人は、地下鉄などの騒音に負けないよう音量を大きくする傾向があります。
さらにその状態で長時間聴き続けるため、耳の感覚細胞にダメージが蓄積してしまうのです。
実際、世界保健機関(WHO)は2015年の時点で、世界の11億人の若者がオーディオ機器の不適切な使用によって難聴の危険にさらされていると報告しています。
そしてこの「スマホ難聴」は、少しずつ進行します。
そのため20~30代では自覚症状がなく、40代になって初めて気づくというパターンも少なくありません。
重症化するなら音が聴こえづらいだけでなく、絶えず耳鳴りに悩まされる、なんてケースもあるのです。
10年間気づかずにダメージを与え続けることで、永久的な聴力喪失につながることさえあるでしょう。
では、「気づいたらスマホ難聴になっていた」という事態を防ぐためには、どんな対処法が効果的でしょうか?
池田氏ら研究チームは、どういった種類のイヤホンがスマホ難聴を防ぐのに役立つか検証することにしました。