道路を長持ちさせる秘訣は「廃タイヤ」を混ぜることだった
研究チームは、アスファルト混合物の耐久性を高めるために「ゴム」を採用しました。
廃タイヤなどをリサイクルしたゴムをアスファルトに混ぜることで、紫外線へ耐久性を高めたのです。
ジュストッツィ氏はこの点を次のよう説明しています。
「リサイクルゴムを道路の最上層に追加すると、劣化が遅くなると判明しました。
ゴムが道路の日焼け止めとして機能してくれるのです」
もちろん、廃タイヤから得られたゴムを適当に混ぜるわけではありません。
研究チームはアスファルト混合物における最も効果的なゴムの濃度も検証したのです。
実験では、さまざまな濃度(7.5%、15%、22.5%など)でゴムがアスファルトに混ぜられました。
そして完成した混合物を特殊な機械に入れて、高レベルの紫外線を1カ月半照射し続けました。
これは通常の道路が浴びる1年間の紫外線量に相当するとのこと。
変化の様子を観察した結果、ゴム濃度を18~22%にすると、紫外線に対して高い耐久性を示しつつ、荷重など、他の耐久性も向上すると分かりました。
研究チームは、「このバランスで作られたアスファルトは、従来のアスファルトと比べて、紫外線ダメージが50%低減されており、これまでの2倍長持ちする」と述べています。
ゴムを混ぜるだけで、アスファルトの耐久性が格段に向上するのですね。
また廃タイヤを利用できる点にも大きなメリットがあります。
現在多くの国が、環境破壊の拡散を防ぐためゴミの輸出規制を行っています。
オーストラリアでは中古タイヤについても輸出規制が敷かれているため、国内でリサイクルする必要に迫られています。
このため地域によっては、行き場を失った廃タイヤが山積みになっているところもあるようです。
今回の新しい発見は、道路の耐久性を向上させるだけでなく、廃タイヤのリサイクル問題も解決できる可能性があるのです。