・「物理学」コースの受講前後で、生徒の脳内に変化があらわれる
・コース受講後では「エピソード記憶」や「自己言及思考」と関連する場所が活性化していた
あなたが難しい「物理学」の問題に頭を悩ませているとき、脳の特定の部分が活性化していることが、アメリカのドレクセル大学の研究で明らかになりました。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fict.2018.00010/full
実験では、50人以上の学生に「物理学」のコースを受講してもらい、コース前とコース後で脳内にどのような変化があらわれるかを調査。fMRI を用いて脳内の血流を調べることで、脳のどのエリアが活発に動いているのかマッピングが実施されました。
具体的には、コース前・後でfMRIで脳内血流を測定しながら「物理学」の基礎知識に関するテストを実施。その結果、受講「前」の被験者の脳は、「注意」や「作業記憶」や「問題解決」に関連するエリアが活発に働いていることがわかりました。このエリアは人間の精神活動にも関わる場所であり、このことから「物理学」の勉強に「想像力」を要することがわかります。
受講「後」の脳では、受講「前」と比べて想定通り「学習」に関連するエリアが活性化しました。しかし、活性化したのはそこだけではありません。「エピソード記憶」や「自己言及思考」とリンクする分野にも活発な働きがみられました。
研究を率いたエリック・ブリュー博士は、「この変化はおそらく、生徒たちが物理学を通してどれだけ論理的な思考を導けるようになったのかを示しています。より多くの物理の知識や、問題解決策といったリソースへのアクセスが増えたことが、この結果の要因でしょう」と語っています。
なぜ「物理学」?と思う人も多いでしょう。これまで「数学」や「読書」に関する脳の研究は多くあったことから、ブリュー博士は「物理学」に注目してこの調査を実施したのです。ブリュー博士はまた、「物理学は法則に基づくもの。これを学ぶことで、私たちの体を支配する確固たる真理を知ることができるのです」として、物理学を学ぶべき理由について語っています。
物理学を毛嫌いしている人も多いと思いますが、たまには物理法則について思いを馳せると脳に良いみたいです。
via: medicalxpress / translated & text by なかしー
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