機械仕掛けで動作する省エネグリッパー
グリッパーはUFOキャッチャーのアームのようにフィンガーを開閉させて、ものをつかむデバイスです。
そして従来のグリッパーでは、開閉のためにモーターなどの動力が用いられてきました。
重たいものをつかんで離さないため、また開閉のタイミングを任意で操作するためには、どうしても電力などの外部エネルギーが必要だったのです。
一般的なマシンであれば、外部エネルギーで動くグリッパーを装着しても、特に問題はありません。
しかし稼働時間を課題としているドローンでは、この余分な消費電力が足を引っ張ることになります。
では、軽くてほとんどエネルギーを消費しないグリッパーはあるのでしょうか?
研究チームは、この課題を解決すべく、電力を消費しない機械仕掛けで動くグリッパーを開発しました。
このグリッパーは、左右に開閉するフィンガーと、中央の衝撃パッドで構成されています。
通常の状態ではフィンガーが開いた状態ですが、つかもうとする物体によって衝撃パッドが押されると、その動きに連動してフィンガーが閉じるようになっています。
そして、そのまま持ち上げようとすると、つかんだ物体の重さで、フィンガーがしっかりと固定されるようになっているのです。
さらに閉じた状態で固定されたフィンガーは、物体を床に置くなどして、力が加わらなくなると、自然と開くようになっています。
電力を消費せず、任意でグリッパーの開閉が可能であり、しかも3.7kgの物体をつかんで持ち上げることもできるのです。
次項では、グリッパーを取り付けたドローンがどのように働くのか注目してみましょう。