休憩にも運搬につ使えるドローン
新しいグリッパーのドローン装着パターンは2種類あります。
下部に装着すると、まさにUFOキャッチャーのような形式になります。
ものをつかんで運べるのです。
しかもグリッパー自体は電力を消費しないので、通常のグリッパーよりも長時間の利用が可能でしょう。
研究チームは、新しいグリッパーが非常に軽量であることも強調しています。
従来のグリッパーの質量はドローン質量の10%以上になることが多かったようですが、「この新しいグリッパーは、ドローン質量の0.75%まで小さくできる」というのです。
軽ければ軽いほどエネルギー消費を軽減できるため、まさに極限まで省エネにこだわったドローン用グリッパーだと言えますね。
もう1つの装着パターンは、ドローンの上部にグリッパーを装着する、というもの。
これによって、木の枝や棒などにつかまってぶら下がることができます。
グリッパー開閉の仕組みは、床にある物体をつかんで持ち上げるときと同様です。
中央の衝撃パッドが木の枝に押されることでフィンガーが閉まり、ホバリングをやめたドローンの重量でフィンガーが固定されるのです。
そして再びホバリングを開始して重量が加わらなくなると、フィンガーが自然と開きます。
これによってコウモリがぶら下がって休憩するかのように、ドローンも休憩してエネルギーを温存できます。
ドローンに搭載されたカメラで周囲をモニタリングしたい場合でも、ホバリングを続ける必要がないため、かなりのエネルギー節約になるでしょう。
ドローンの課題を意識した「実用的なグリッパー」によって、今後ドローンはますます活躍していくはずです。