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Credit: Bradford Smith – Elon Musk makes ALS TALK AGAIN || Nonverbal ALS Patient Uses Neuralink to Create & Narrate Video(2025)
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【世界初】脳チップを介し「思考」するだけでYouTube動画の作成に成功!

2025.05.09 07:00:12 Friday

話すことも、手を動かすこともできない――そんな状態でも、人は自分の「意思」を世界に発信できるのか?

ついにその答えが現実のものとなりました。

イーロン・マスク氏が共同設立した米国のニューロテクノロジー企業「Neuralink」の脳インプラント技術により、重度の障害を抱えるALS患者の男性が、自らの脳信号だけでYouTube動画を編集し、自分の“声”でナレーションまでつけることに成功したのです。

これまで想像の中だけだった「脳で操作する未来のコンピュータ」が、ついに人間の生活を変え始めました。

World First: Neuralink Patient Makes YouTube Video With Brain Implant https://www.sciencealert.com/world-first-neuralink-patient-makes-youtube-video-with-brain-implant

脳の「思考」だけでYouTube動画を作成

この驚くべき映像を公開したのは、アメリカ在住のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者、ブラッド・スミス氏です。

ALSは筋肉を動かすための神経が次第に壊れていく病気で、筋肉の萎縮や麻痺を引き起こします。

あの有名なイギリスの理論物理学者であるスティーヴン・ホーキング博士がALSを患っていたことで有名です。

スミス氏も全身の運動機能を失っており、以前までは話すこともできましたが、すでに声も出せない状態になっているといいます。

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スミス氏とその家族/ Credit: Bradford Smith – Elon Musk makes ALS TALK AGAIN || Nonverbal ALS Patient Uses Neuralink to Create & Narrate Video(2025)

それでもスミス氏は家族の懸命な支えとともに、Neuralinkの開発した「脳-コンピュータインターフェース(BCI)」に生きる希望を見出しました。

スミス氏はBCIチップを脳に埋め込まれた世界で3番目の人物であり、ALS患者としては初めての試験者です。

スミス氏の頭部に埋め込まれたインプラントは、5枚の硬貨を重ねたほどのサイズで、1024本の電極を内蔵。

これらの電極が15ミリ秒ごとに脳のニューロンの発火を記録し、AIがこれらの信号を処理して、本人の意図した動きをリアルタイムで画面上のカーソルに反映させます。

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脳に埋め込まれるBCIチップ/ Credit: Bradford Smith – Elon Musk makes ALS TALK AGAIN || Nonverbal ALS Patient Uses Neuralink to Create & Narrate Video(2025)

この装置は脳の運動皮質から「カーソルをどこにどう動かしたいか」という信号を読み取り、MacBook Proのマウスを“意思”だけで操作することを可能にするのです。

スミス氏は当初、「手を動かす」イメージを思い浮かべてカーソルを操作しようとしたものの、なかなかうまくいきませんでした。

しかし試行錯誤の末、「舌を動かす」「顎を噛みしめる」といったイメージを思い浮かべると、信号が安定して伝わることがわかり、思考によるマウス操作が格段に向上しました。

これにより、スミス氏はYouTube動画を編集し、世界初となる「Neuralink編集動画」を完成させたのです。

さらに驚くべきは、スミス氏の失われた声もAIによって再現されたことです。

実際の動画とともに見てみましょう。

次ページ以前の音声データから「クローンボイス」を作成

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