旧友への連絡を躊躇しがちなのは「相手の気持ちを過小評価している」から
多くの研究が、社会的なつながりを維持することは心身の健康に役立つと指摘しています。
実際、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学(UBC)のジリアン・サンドストローム氏らによる2014年の研究では、家族や親友以外の比較的弱い結びつき(知人など)でも、幸福度は高まると報告しました。
しかし、こうした利点や私たちの交友を求める気持ちとは裏腹に、久しぶりに旧友に連絡するのを差し控えてしまう人は多いようです。
それは多くの人が「突然久しぶりに連絡されても相手は迷惑に思うだろう」と考えてしまうからです。
ではこの考え方は正しいのでしょうか?
研究チームは、連絡を送る側の気持ちと連絡を受けた側の気持ちのギャップを明らかにするため、5900人以上を対象にした調査・実験を実施。
1つ目の調査では、半分の参加者たちに、「長期間交友がなかった相手と、なんとなく、もしくはただ話をするために、連絡を取ったときのこと」を思い出してもらいました。
そして連絡を受けた相手がどのように感じていたか、その感謝や喜びの程度を7段階評価(1=全く感じない、7=大いに感じる)で予想してもらいました。
次に、もう半分の参加者たちに、「長期間交友がなかった相手から、久しぶりに連絡をもらったときのこと」を思い出してもらい、自分がどれほどうれしかったのか、7段階評価してもらいました。
その結果、自分から連絡した参加者は、連絡をもらった参加者に比べて、その連絡がもたらす感謝の気持ちに低い評価を付けました。
つまり連絡する側は、「相手は喜んでくれないだろう」と過小評価する傾向にあったのです。