ダイヤモンドの類似石となった宝石
ジルコン
天然のダイヤモンド類似石の代表格と呼んでも差し支えないのが、このジルコンです。
2000年前にはすでにダイヤモンド類似石として流通してきたという歴史ある宝石であり、その輝きはダイヤモンドと比べても引けを取りません。
屈折率は1.93から1.98と、ダイヤモンドの2.42には及びませんが、きらめきを生み出す分散度は0.039と、ダイヤモンドの0.044に近い値を示します。
そのため、ダイヤモンドのようなギラギラとした虹色のファイアを楽しむことができます。
しかもジルコンはダイヤモンドよりも安価に手に入るため、ダイヤモンドのような鮮やかな輝きをよりリーズナブルに楽しむことができるのも魅力です。
クリスタル
ジルコンと同等か、それ以上にダイヤモンド類似石としての古い歴史を持つのがクリスタル、つまり水晶です。
無色透明で大きな結晶が産出しやすいクリスタルは、古来よりダイヤモンドの代用品として貴族の装飾品に用いられてきました。
といっても屈折率や光の分散度はあまり高くないため、ダイヤモンドのようなファイアを見せることはないので、現代人の目で見ると簡単に区別がついてしまいます。
カラーレスサファイア
カラーレスサファイアがダイヤモンド類似石として利用されはじめたのは、20世紀に入ってからです。
サファイアは、天然の鉱物の中ではダイヤモンドに次いで傷つきにくいモース硬度9を示し、割れにくさを示す靭性(じんせい)はダイヤモンドを上回るという丈夫さを持っています。
しかも、サファイアはダイヤモンドに比べると安価に流通しています。
そのため、物に接触しやすい指輪などのアクセサリーにおいて、ダイヤモンドの代わりに使われることが少なくありません。
ただし、クリスタルと同様に屈折率や分散度は高くなく、ダイヤモンドのようなファイアは見せないので、注意深く調べるとダイヤモンドでないことが分かってしまいます。