背痛に「姿勢」は関係なかった?
背痛に「姿勢」は関係なかった? / Credit: canva
health

誰もが経験する背中の痛みに「姿勢の善し悪し」は関係なかった (2/2)

2022.08.24 Wednesday

前ページ「よい姿勢」は、背痛の予防にならない?

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背痛の発症を防ぐ方法とは?

これらの先行研究から、背痛を予防・緩和するための「よい姿勢」というのは存在しません。

背骨の形や大きさは人それぞれなので、身体が心地いいと感じる姿勢には、どうしても個人差が生まれます。

また、背中に限らず、身体の健康には「運動」が重要ですから、特定の”心地よい姿勢”に固執するよりも、いろいろ動かしてみる方が効果的です。

加えて、研究チームは、次のような健康状態が悪化すると、並行して、背痛も起きやすいことを指摘しています。

ストレスを感じている

・気分が落ち込んでいる

・疲労感や倦怠感が高まっている

睡眠の質が悪く、時間も足りていない

・日中の活動量が少ない

それから、次の2点に思い当たる節があるなら、背痛が長引きやすくなる可能性があります。

・背痛を過度に心配して、不安がる

・背中を保護しようとし過ぎて、適度な運動や身体活動、社会との関わりを避ける

背痛はときに、骨折や悪性腫瘍、感染症、神経圧迫といった重い病気が原因で起こることがあり、これに関しては、医療機関での受診が必須です。

しかし、その割合は全体の1〜5%に過ぎず、残りの95%以上は、背中の組織に識別可能な損傷がなく、何らかの重い病気とも関係していません。

これらの人々の背痛は、「よい姿勢」を守ろうとし過ぎたり、心身の疲労やストレスが原因になっていることがほとんどです。

背中は自由に動かした方がいい
背中は自由に動かした方がいい / Credit: canva

そこで研究チームは、背痛の予防・対処の方法として、以下の点を心がけるよう促します。

・日常的に背中を動かして、筋肉リラックスさせる

・自分の好きな(体が心地よいと感じる)運動を定期的に行う

・健康的な睡眠習慣と体重を維持する

・精神的な疲労感やストレスを溜め過ぎないようにする

これらのことを守れば、大抵の背痛は発症を防ぐことができるでしょう。

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