海に浮かぶ新しい風力発電機
海に浮かぶ新しい風力発電機 / Credit:World Wide Wind
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海原に生える樹木のような新型風力発電機

2022.09.04 Sunday

再生可能エネルギーに注目が集まっている昨今、新たな発電方法が続々と考案されています。

最近では、ノルウェーのスタートアップ「ワールド・ワイド・ウインド」が、公式サイトで海に浮かぶ新型風力発電機を公表。

従来の「風車型」とは大きく異なり、何本かの枝が伸びた樹木のような見た目をしています。

同社は「現在の風力発電機の2倍の出力を達成できる」と主張しており、2026年までには小型モデルを完成させる予定です。

Contra-rotating floating turbines promise unprecedented scale and power https://newatlas.com/energy/coaxial-vertical-floating-wind-turbines/

垂直軸型風力タービンとは?

一般的な「水平軸型風力タービン」
一般的な「水平軸型風力タービン」 / Credit:Canva

私たちがよく見かける風力発電機は、水平軸型の風力タービン(HAWT:horizontal-axis wind turbine)です。

構造がシンプルで大型化しやすいのが特徴であり、山上や海上に設置されます。

しかしHAWTにもデメリットがあります。

発電機や巨大なブレードなど、重い部品を高い位置に取り付けなければいけないので、ポールを地面に強く固定する必要があるのです。

海上であればその広さを有効活用できますが、海の上に浮かべるだけでは、上部の重みで倒れてしまうでしょう。

そのため、海上に設置するには、ポールを海底まで伸ばしたり、埋め立て地を作ったりと、頑丈な土台を用意しなければいけません。

現存する「垂直軸型風力タービン」
現存する「垂直軸型風力タービン」 / Credit:Canva

そこでワールド・ワイド・ウインド社は、地面に対して垂直軸をもつ「垂直型風力タービン(VAWT:vertical-axis wind turbine)」を利用することにしました。

垂直軸構造により、どの方向からの風でも利用できます。

また重い部品はポール下部にまとめられるため、海上に浮かべても安定しやすいでしょう。

しかし、VAWTにもデメリットがあります。

HAWTに比べて発電効率がはるかに悪いのです。

そこでワールド・ワイド・ウインド社は、効率を高める「2重構造のVAWT」を考案しました。

次ページタービンの逆回転を利用した「海に浮かぶ風力発電機」

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