「不可能図形」の3Dプリント版
1つ目の図形「ペンローズの三角形」は誰もが見たことのある非常にシンプルな不可能図形です。
3本のまっすぐな四角柱がそれぞれ直角に交わっているのに、全体で三角形を形成しているように見えます。
現実にはありえない図形ですが、確かに黒いテーブルの上には3Dプリントされたペンローズの三角形がたたずんでいます。
いったいどうやって存在しているのでしょうか?
2つ目の図形は「終わらない階段」です。これは「ペンローズの階段」としても知られるものです。
通常、階段には必ず終わりがあります。
ところが「終わらない階段」では、低い段から高い段に移動し続けても、終点が訪れません。
階段を1度も下っていないにも関わらず、なぜか元の位置に戻ってしまうループ構造です。
3つ目の図形は、「アウト&イン」です。
手前を見ると、「凸」の形をした板に見えますが、奥を見ると、同じ板が「凹」の形をしているように見えます。
この図形も現実には存在しえないはずですが、確かに3Dプリントされていますね。
4つ目の図形は「横並びの積み上げ(Stacked Side-by-side)」と名付けられています。
奥を見ると、2つの角材が横に並んでいるように見えます。
ところが手前を見ると、同じ2つの角材は横並びではなく、縦に積み上げられているように見えます。
小さな角材も立てかけられていることから、ますます「積み上げ」に見えます。
見れば見るほど混乱しますが、こちらも2次元ではなく3次元に存在しているようです。
5つ目の図形は、「ロイテスバルトの交差」です。
四角形の枠に1枚の板が挿入されているように見えますが、やはり時空が歪んでいます。
枠と板における前後左右の位置関係が現実ではありないのです。
ここまでで3Dプリントされた5つの不可能図形を紹介してきました。
では、これらはどのように現実世界に存在しているのでしょうか?
次項は種明かしになります。