3Dの不可能図形を回転させると……
3Dプリントされた不可能図形は、回転させるだけでその種明かしが済みます。
「ペンローズの三角形」は、ただの「折れ曲がった角材」でした。
不可能図形に見せているポイントの1つは、斜めにカットされた先端でしょう。
「終わらない階段」も回転させると、ただの「曲がりくねった階段」だと分かります。
終点も始点もはっきりしていますね。
凹凸が融合したような「アウト&イン」も、実は「カットした凸型の板」でした。
ポイントは、凹型に見せるために絶妙に計算された切り込みでしょう。
「横並びの積み上げ」図形は正面から見ると、「横並び」か「積み上げ」か混乱します。
しかし回転させることで、横並びの角材だったと分かります。ポイントは積み上げに見せかけている「ハリボテ」です。
また立てかけていた小さな角材も積み上げ構造の演出を助けていました。
「ロイテスバルトの交差」も、「枠に挿入された板」ではないと分かります。
枠のように思えた図形は、実はつながっておらず、板に対して上下別々に取り付けられていました。
回転後、板の上部の奥には「小さな板の出っ張り」があります。
これは正面を向いたときに「錯視を促す影」を生み出すのに役立っており、こうした細かな配慮が、3Dプリント版の不可能図形を成立させているのでしょう。
どの不可能図形も種明かしすると、非常にシンプルな答えが出てきましたね。
それでも、これらを3次元で成立させるには、計算されつくしたカメラの角度、光源の位置、設計図が必要です。
全てを調和させることで「不可能」が「可能」になっているのです。