蚊よけスプレーはどのように機能する?
蚊は触角の感覚器によって人間や動物を発見します。
そのため市販の蚊よけスプレーは、蚊の感覚器をターゲットにしています。
感覚器の受容体とその神経細胞の伝達プロセスを妨害するのです。
例えば、人間を見つけるのに役立つ受容体を阻害したり、不必要な受容体を活性化させたりします。
これにより蚊の中枢神経系は騙された状態になり、「周囲に人間や動物はいない」と信じ込むようになるのです。
つまり私たちが蚊よけスプレーを体に塗布すると、蚊にとって「血が流れていない無機物」のような存在になれるわけですね。
ちなみに、市販の蚊よけスプレーに用いられている主な成分は、ディートやピカリジン(またはイカリジン)と呼ばれる化合物であり、塗布することで高い蚊よけ効果が得られます。
またこの2つほど持続性はありませんが、コウスイガヤ(シトロネラグラス)やレモンバームに含まれる「シトロネラール」などの天然の虫よけ剤も存在しており、その効果も証明されています。
虫よけスプレーの働きを考えると、どのように塗布するのが効果的かも分かります。
大切なのは、皮膚にムラなく塗布することです。
塗布する蚊よけ剤の量を増やしても蚊よけ効果が高まることはありませんが、いくらか効果時間を延ばせるかもしれません。
しかし長時間活動する場合にはどうしても汗をかいてしまうので、蚊よけスプレーを携帯して定期的に塗布しなおすのがベストでしょう。
次に蚊よけスプレーを使う際には、「変化の術で敵を欺く忍者」や「塗り薬で変身する透明人間」のような気持ちで、体中に満遍なく塗布してみてくださいね。