「コックリさん」を科学の力で解明
コックリさんは正式にはキツネ・イヌ・タヌキと書いて「狐狗狸(こっくり)」と読みます。
そのためコックリさんは動物霊にかかわるものだという説をよく耳にしますが、実は違います。
コックリさんの直接的な起源は上の図に示すように、1890年のアメリカで開発された「ウィジャボード」と呼ばれる木製の板と、「プランシェット」と呼ばれる穴の開いた木片となっています。
ボードにはアルファベットと数字が並べられ、上側には「YES・NO」そして最下層には「GOOD BYE(さよなら)」の文字が刻まれています。
これは日本でコックリさんに使われる「あいうえお」や「はい・いいえ」が書かれた紙の祖先の姿です。
また穴の開いた木片も10円玉の役割と同じであり、参加者の指を乗せながら使われていました。
このウィジャボードは欧米で爆発的な人気を博し、日本では明治時代に、降霊術好きの外国人が立ち寄った港町を中心にブームが広がったとされています。
(※そんなアメリカンな起源を持つ降霊術がなぜコックリさんと和名で呼ばれるようになったかは後述)
そしてコックリさんのご先祖が世界中で大ブームを起こした理由は、その現象が「ホンモノ」であるからでした。
科学の信奉者である人々は口々に「参加者の1人が仕掛け人になっているに過ぎない」と主張します。
しかし以前の研究では、そんな否定派の人々を集めて実際にコックリさん(実際にはウィジャボード)を行ってもらった結果、10円玉の役割をする木片が、本当に勝手に動き出し「霊の存在を信じざるを得ない」との感想が得られたことが報告されています。
同様の実験結果は仕掛け人の存在を排除するためにランダムな人選を行った別の研究でも報告されており、参加者たちの指が乗せられた木片は参加者たちの意思に反して勝手に動いているようにみえました。
この不思議な現象は、いったいどんな仕組みで発生しているのでしょうか?
研究者たちは実験を繰り返し、結果3つの主な要因を特定しました。