国内の社会不安が高まると侵攻がはじまる
研究者たちは以前から、国境紛争が起こるタイミングについても注目していました。
2021年に行われた研究では、中国からインドへの侵攻は、中国の社会情勢や経済情勢が不安定化した時期に多くなることが示されています。
戦争の危機を利用して国内の団結力を高め不安定な情勢を乗り切る方法は、人類社会において普遍的に用いられる手段となっています。
また侵攻は、インドが米国との関係を深めようとする時期にも多くなることが示されました。
他国と同盟しないように圧力や脅しをかけるのも、人類社会に古くから存在する手法です。
さらに今回の研究では、中国の侵攻がおよそ3年の周期で発生することや、夏季に多くなりがちであることが報告されています。
研究者たちは、これまで判明した中国の侵攻パターンやゲーム理論の存在を理解することができれば、有効な対抗手段を構築できると述べています。
研究者たちは最後に「誰も戦争は望んでおらず、軍事的介入は最後の手段であるべきだ」と述べています。
14億人の人口を要する中国と同じく14億人の人口を有するインドが正面戦争をはじめた場合、結果は人類史上例をみない悲惨なものになるでしょう。