おじぎは「昆虫の食害」から身を守るためだった
チームは実験で、ゲノム編集技術により、葉枕を欠損した「おじぎしないオジギソウ」を作成しました。
これを用いて、葉の運動能力の有無が昆虫(バッタ)の行動に与える影響を調査。
普通に動くオジギソウと隣り合わせてに並べたところ、バッタは葉が動くオジギソウはなるべく避けて、葉が動かないオジギソウの方をより多く食べることがわかりました。
こちらはバッタの摂食に反応したオジギソウが葉を閉じる様子。(Ca2+・電気シグナルの伝播が見られる)
バッタが普通のオジギソウを食べ始めると、その刺激によって葉が次々と閉じ、バッタは摂食をやめて、他の場所に移動していったのです。
おそらく、葉が閉じることで脚が挟まったり、足場をなくすことが原因と思われます。
この結果、「おじぎしないオジギソウ」は「通常のオジギソウ」に比べて2倍も多くバッタに食べられていました。
このことからチームは「オジギソウのおじぎ運動には、草食性昆虫に対する防御システムの役割がある」と結論しました。
オジギソウが昆虫による食害に遭うと、Ca2+の電気シグナルが全身に伝播し葉が高速で閉じ始め、昆虫の摂食を阻害して、他の場所へと追いやっていたのです。
これが不思議な動く植物オジギソウの全貌のようです。