路面凍結を7~8年間防止する新しいアスファルト添加剤
研究チームはまず、主な成分として塩化ナトリウムや塩化カルシウムの代わりに、酢酸ナトリウムを使用することにしました。
これは融雪剤として機能しますが、塩化物ではないため、環境や自動車に被害を与えないのです。
そして調整された酢酸ナトリウムを界面活性剤、二酸化ケイ素、重炭酸ナトリウム、高炉スラグ(銑鉄を製造する際に出る廃棄物)と組み合わせて粉末状にし、マイクロカプセルに入れました。
最後に、これを添加剤としてアスファルトに混ぜることで、路面凍結を防ぐ新しいアスファルトが完成しました。
実験では、このアスファルトが水の融点を0℃から-21℃まで低下させてくれました。
また研究チームによると、厚さ5cmの層が、7~8年間融雪成分を放出し続け、凍結を防止してくれるとのこと。
さらに高速道路での比較テストでは、従来の舗装で除雪作業が必要なケースでも、新しいアスファルトではその必要がないほど雪を溶かしてくれると分かりました。
まさに、環境や自動車に優しく、長持ちする新しいアスファルト添加剤なのです。
冬場の事故や立ち往生を減らすためにも、早期の実用化が期待されます。