郊外の「スプロール化」がうつ病リスクを高める要因?
多くの人は、プライバシーや静寂、自分の庭を持ちたい、などのメリットを期待して郊外に居住地を持ちます。
しかし、こうした要因が上手く快適に暮らしに結びつかないパターンがあるようです。
研究者は、郊外でうつ病リスクが高まった要因について「スプロール化が問題だ」と指摘します。
スプロール化とは、都市部の急速な発展や開発により、その外縁にある郊外の居住環境が無秩序かつ無計画に広がっていくことを指します。
スプロール化によって郊外の人々は、都市部にある職場への車を使った通勤時間が長くなる、緑地公園などのオープンスペースが少ないなどの影響を受けやすくなるという。
さらに研究者は「都市部ほど人口密度が高くないため、ショップやカフェ、レストランなど、人々が集まって交流を深められる商業施設を多く確保できない」と指摘しました。
チームは今回の調査結果が、都市開発や郊外の建設計画の一助として活用されることを期待しています。
例えば、郊外に暮らす人々の健康を考えるなら、緑地スペースや交流の場となる商業施設を増やしたり、車での長時間通勤に依存しないようなインフラを整備することが有効かもしれません。
研究者は最後にこう述べています。
「私たちの研究はデンマークの街を対象としたものであり、同じ結果が他の国や地域に当てはまるとは限りません。
また心身の健康は居住環境以外にも、様々な文化的・地理的要因によって左右されます。
それでも本研究の成果は、居住環境がメンタルヘルスに与える影響を知る一つのモデルとして、世界の多くの地域で同様の研究を進めるための土台となるはずです」
確かに、精神疾患を発症する原因は様々ですが、郊外に住むなら「低層・中密度」の住宅地は避けた方がいいかもしれません。