音楽レッスンでスコアが向上!
今回のメタ分析の結果では、音楽の介入は、それが個別の授業であろうと数学の授業に取り入れた形であろうと、その後のスコアをより向上させることが判明しました。
中でも、音楽と算数(数学)を統合した3つ目のレッスンが最も大きな学習効果を示していました。
ここではレッスンを受けた生徒の約73%が何らの音楽介入も受けなかった生徒より有意に成績が良くなっていたのです。
また独立した音楽のレッスンだけでも、算数(数学)のスコアに向上が見られています。
標準的な音楽レッスンを受けた生徒では58%が、楽器演奏のレッスンを受けた生徒では69%が、音楽介入を受けなかった生徒よりもテストの成績が良くなっていました。
一体どのようなメカニズムで音楽学習が算数(数学)のスコア増進につながったのかは分かっていませんが、この結果は音楽への積極的な取り組みが子供や学生の算数(数学)ぎらいを緩和するのに役立つことを示しています。
特に算数や数学の授業に音楽を織りまぜることで、数字への不安を和らげ、授業への取り組みをより楽しいものにできるかもしれません。
例えば、学校で算数と音楽の先生が一緒に協力して、合同授業を行うことも非常にいいアイデアでしょう。
他方で研究主任のアイサ・アキン(Ayça Akın)氏は、メタ分析の限界点として、対象とした研究の数があまり多くなかったことを挙げています。
そのため、男女での性差や家族の社会経済状況、音楽を習っている期間の長短など、介入後の学習効果に影響を及ぼす可能性のあるさまざまな要因を調べることができませんでした。
チームは今後、その点を含めた研究を続けていきたいと考えています。