今月12日、フランス民家の屋根裏の「靴箱」からみつかった18世紀の中国の壺が、サザビーズのオークションにより1,620万ユーロ(約21億円)といった衝撃の価格で競り落とされました。
当初の予想の20倍以上の値がついたこの壺は、フランスのサザビーズ・オークションにおける単品での過去最高額となります。
サザビーズ・アジアの芸術専門家オリバー・ヴァルミエ氏は、「壺は靴箱に入れられ、新聞に包まれていました。しかし、壺がベールを脱いだとき、その美しさに私たちはみな言葉を失いました。これは真の芸術です。カラヴァッジョの作品を発見したかのような気持ちでした」と、壺との出会いの感動を語ります。
電球型で色鮮やかなこの壺の大きさは約30センチ。鹿や鳥などの動物が描かれており、ネックには金の装飾が施されています。そして、1736年-1795年まで中国を統治した清の第6代皇帝である「乾隆帝(けんりゅうてい)」の印が確認できます。つまり、この壺は乾隆帝のために作られたものであるということです。
保存状態も完璧であり、250年前のものとは思えないこの壺。壺の持ち主は、「家族はあまりその壺が好きではありませんでした。祖父も気に入ってはいなかったようです」と、祖父から受け継いだその壺が「靴箱の中」に追いやられていた理由を語っています。
清の時代は「清代美術」といった言葉が示すように、芸術が栄えた時代として知られており、当時の陶磁器などの作品には高値がつく傾向があります。それにしても、今回の1,620万ユーロ(約21億円)といった値段は「破格」です。
壺はアジア人バイヤーによって競り落とされましたが、国籍や名前については公表されていません。屋根裏の靴箱から「21億円」がみつかったこの驚愕の事件。これを期に屋根裏の掃除を始める人が増えることが予想されます。
via: bbc, ancient-origins / translated & text by なかしー
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