「地味顔のイヌ」はたくさん表情をつくる
研究者らは、イヌの顔の模様が、その表情や感情表現にどれほど影響を与えるのかを明らかにするため、103頭のイヌの顔を詳細に分析し、「複雑さマトリックス」という新しい尺度を開発してイヌたちを分類しました。
このマトリックスでは、単色で模様のない「地味顔のイヌ」を【スコア1】として、色や模様が複雑になるほど数字が増え、もっとも複雑顔のイヌは【スコア9】として評価されます。
たとえば、本研究に参加したオディン氏(下図、ボーダーコリー)は、【毛の色(3色)×マーキング(5種類)】から【複雑度スコアは7】とカテゴライズされています。
そして、イヌ専用の表情分析システム「Dog Facial Action Coding System(DogFACS)」を使って、それぞれのイヌの表情の動きを詳しく分析しました。
その結果、地味顔のイヌは、複雑な顔の模様のあるイヌよりも、人間とのコミュニケーション時に、より多くの表情を見せることが明らかになったのです。
この結果は、霊長類と同様の結果であり、そのことが研究者たちを驚かせました。
というのも研究者らは、イヌと霊長類とでは、異なる結果が得られるという仮説を持っていたのです。