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単色で模様のない「地味顔のイヌ」ほど表情が豊かであると判明!

2023.10.30 Monday

イヌの毛色や模様の数は、驚くほど多種多様です。国や機関等によっても異なりますが、約150種類の色や模様の組み合わせが存在すると言われています。

ワンコたちの毛の色や模様は、イヌの魅力を引き立てるだけでなく、実はその表情の豊かさにも影響していることが、新たな研究で明らかになりました。

これまで、イヌの表情の種類は、犬種や性質によると考えられてきましたが、最新の研究で「毛の色や模様」も表情の多様性に関係することが判明したのです。

米国ジョージ・ワシントン大学霊長類ゲノム研究室(the GW Primate Genomics Lab)の研究者らは、毛の色が一つで模様がない「地味顔のイヌ」は、さまざまな色や模様のある顔のイヌより、人間と接するときに表情豊かであると発表しました。

研究の詳細は、2023年7月22日付の『Animals』誌に掲載されています。

Dogs with less complex facial markings found | EurekAlert! https://www.eurekalert.org/news-releases/997870
Animals | Free Full-Text | What Is Written on a Dog’s Face? Evaluating the Impact of Facial Phenotypes on Communication between Humans and Canines https://www.mdpi.com/2076-2615/13/14/2385

「地味顔のイヌ」はたくさん表情をつくる

研究者らは、イヌの顔の模様が、その表情や感情表現にどれほど影響を与えるのかを明らかにするため、103頭のイヌの顔を詳細に分析し、「複雑さマトリックス」という新しい尺度を開発してイヌたちを分類しました。

このマトリックスでは、単色で模様のない「地味顔のイヌ」を【スコア1】として、色や模様が複雑になるほど数字が増え、もっとも複雑顔のイヌは【スコア9】として評価されます。

たとえば、本研究に参加したオディン氏(下図、ボーダーコリー)は、【毛の色(3色)×マーキング(5種類)】から【複雑度スコアは7】とカテゴライズされています。

イヌの総合的な複雑さスコア(PS)は色とマーキングで構成される。
イヌの総合的な複雑さスコア(PS)は色とマーキングで構成される。 / Credit: C. L. Sexton, et al. (2023)

そして、イヌ専用の表情分析システム「Dog Facial Action Coding System(DogFACS)」を使って、それぞれのイヌの表情の動きを詳しく分析しました。

その結果、地味顔のイヌは、複雑な顔の模様のあるイヌよりも、人間とのコミュニケーション時に、より多くの表情を見せることが明らかになったのです。

地味顔のイヌは複雑な顔のイヌよりも表情が豊かであることが確認された。
地味顔のイヌは複雑な顔のイヌよりも表情が豊かであることが確認された。 / Credit: C. L. Sexton, et al. (2023)

この結果は、霊長類と同様の結果であり、そのことが研究者たちを驚かせました。

というのも研究者らは、イヌと霊長類とでは、異なる結果が得られるという仮説を持っていたのです。

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