イヌは人間との絆を深めるために表情豊かになった
残念ながら本研究には、具体的な理由や背後にあるメカニズムについての詳細な説明はありません。
しかし、先行研究などから考えると、イヌは人間の反応を読み取り、それに応じて表情を増やしている可能性があります。
まず、大前提として、イヌたちは人間の表情を読み取ることができます。2018年に発表された研究によれば、イヌは少なくとも、人間の幸せな顔と怒っている顔を区別できます。
そしてイヌは、人間が見ているときのほうが、見ていないときよりもはるかに多くの表情を作ることも示されています。「悲しそうな子犬の目」をするのは、人間に見られている時が多いという2019年の研究もあります。
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また本研究で、「地味顔のイヌ」の飼い主は、イヌの表情の度合いをより正確に判断する傾向が確認されています。人間が他の霊長類に比べて地味な顔であるため、地味な顔の方をより容易に認知しやすいからだと考えられます。
これらの情報をもとに推察すると、「地味顔のイヌ」の方が人間の反応をより多く引き出しやすく、その反応に喜びを感じてイヌは表情のレパートリーをさらに増やしている可能性が考えられます。
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本研究でわかるのは、「やっぱりイヌは、人間のことが大好きでいてくれるんだ!」ということです。私たちを見つめ、表情筋を含めたたくさんの能力を獲得してくれるワンコのために、ぜひたくさんの笑顔をみせてあげてくださいね。