You Tubeのコメントから人の感じる懐かしさを分析
誰しも、特定の場所、音楽、香りなどによって、ノスタルジーをな気持ちが引き起こされたことがあるのではないでしょうか。
今回、アレニ博士ら研究チームは、そんなノスタルジーな感情が、遠い過去のコンテンツに発生しやすいのか、それとも最近の時代のコンテンツにも同様に発生するのかについて調査しました。
この研究の特長は、実験やアンケートによる研究とは異なり、人々が普段の生活で、どのようにノスタルジーを感じて表現しているのかを直接観察している点です。これにより、人々が実生活で感じているノスタルジーをより正確に理解することが期待できるのです。
ノスタルジーは、歳を重ねると自然に人々が感じるものだと昔から思われてきました。
また、1960年代の初期の研究からは、60歳以上の人々が自分の人生を振り返り、その意味や価値を考える「ライフレビュー」をする傾向があることがわかっています。
高齢者は自分の人生が充実していたと感じたいため、ノスタルジーを通じて過去の経験をより良く思い出すことがあるのです。
人が最もノスタルジーを感じるのは、「レミニセンス・バンプ(回想バンプ)」と呼ばれる、15歳から30歳の間の記憶と言われており、現在の年齢に関わらず、多くの人がこの時期の自分の人生を振り返ります。
つまり、60歳以上の人がYouTubeを利用する場合、多くアクセスする過去のコンテンツは、おそらく1960年代から1980年代にかけてのものと考えられます。
しかし、アレニ博士によると、2000年代以降の動画に関して、ノスタルジーを感じる人が増えているようです。
これはフェイスブックなどのソーシャルメディアの普及により、最近の思い出を振り返ることが多くなったためです。