アウストラロピテクス・セディバとホモ・ナレディ
今回、ヴァージン・ギャラクティック社のミッションで宇宙を旅行したのは、アウストラロピテクス・セディバとホモ・ナレディという2種類の古代人類の化石です。
アウストラロピテクス・セディバは、2008年に南アフリカで発見された古代人類で、見つかった化石は約180万年前のものとされています。アウストラロピテクスとヒト属の中間的な特徴を示す存在として注目され、木登りに適した腕や手と、二足歩行に適応した足の構造を持っています。
ホモ・ナレディは、2013年に南アフリカで発見された古人類で、見つかった化石は約30万年前から約25万年前のものとされています。脳はアウストラロピテクスに似て小さい一方で、頭蓋骨の形状は初期の人類に近く、猿人の原始的特徴と初期の人類の現代的特徴の両方が見られます。
今回、宇宙に旅することになった化石には、アウストラロピテクス・セディバの鎖骨の一部と、ホモ・ナレディの親指の骨が選ばれました。
化石を選んだのは、ナショナル・ジオグラフィック協会の探検家で、南アフリカのウィットウォーターズランド大学の人類深部探査センターの所長としても知られているリー・バーガー氏です。
バーガー氏は、アウストラロピテクス・セディバとホモ・ナレディの化石の発見にも大きく貢献しています。
2008年、バーガー氏の息子マシュー氏によって、アウストラロピテクス・セディバの鎖骨の断片が発見されました。
さらに2013年、バーガー氏は研究者グループと共に、30万年前のホモ・ナレディの親指の骨を発見しています。
実はこの発見には、後述するバーガー氏が持つ特権にも関わってきます。