お化けが出ることを知るとカンニングが減る
実験の結果、お化けの存在を知った人は、他のグループの人と比較して、プログラムの誤作動を修正するまでの時間が最も短くなりました。
これは、お化けの存在が自己中心的な行動を抑制する可能性を示唆しています。
お化けの存在を知ることによる自己中心的な行動の抑制は、試験のカンニングや剽窃(コピペ)、偽造などの不正行為を防止する方法として有用だと考えられています。
実際、特に応用が利くのは教育だと考える人が多いかもしれませんが、そこには注意が必要です。
たしかにテスト実施時に教室にお化けが出ると伝えることはカンニングの防止につながるかもしれません。
しかし受験者の認知能力が低下してしまう可能性があります。
というのも、実験でお化けの存在を知った人は、他のグループの人と比べて、空間認識能力を測るテストのスコアが低くなってしまったのです。
研究チームは「お化けの存在は利己的な行動を抑制するが、認知的な資源がお化けに取られ、認知機能が低下してしまうと考えられる」と述べています。
この点を考慮すると、教育の分野ではなく、隠蔽や偽造が起きやすい場所にお化けが出る噂を流すことで、不正行為を防止することができるかもしれません。