・地球温暖化を「自然現象」だとして、人為的なものではないと信じる人たちがいる
・そのような人たちが「人種差別者」である傾向が高いことがわかる
・その原因が「黒人初」のオバマ大統領が「環境政策」を進めたことに起因している可能性がある
最新の研究が、「気候変動」と「人種差別」といった一見全く関係のない2つのトピックのつながりを示唆しています。人為的な「気候変動」を信じない人が「人種差別者」である傾向が高いことが分かったのです。
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/09644016.2018.1457287?journalCode=fenp20
「地球温暖化」に代表されるような、私たち人間に起因する「気候変動」を否定する人たちがいます。彼らは、仮に産業革命が起こらなかったとしても、地球温暖化は「自然現象」として進行していたことを主張します。つまり、温暖化は「氷河期に地球が寒冷化した」ことと同じだということです。
研究において、気候変動を否定する人たちには様々な共通項がみられました。彼らは比較的年をとっており、白人であり、政治的右派に偏っていました。そして、人種についてその多様性を認めようとしなかったのです。
研究をおこなったデポー大学の政治学者サリル・ベネガル氏は、「この研究において、人々の環境への態度に『人種』といった概念を取り入れることが特別重要だと言っているわけではありません。しかし、それらの間に相関関係があったという事実は無視できるものではないといえます」と語っています。
ピュー研究所のデータと、アメリカ大統領選挙の際の「人種差別についてのアンケート」に基づき実施されたこの研究。ベネガル氏は、オバマ政権の時代に人種差別を良しとしていた白人の共和党支持者が、300%多い確率で「気候変動否定者」であることを発見しました。
「オバマ大統領」といった存在そのものがこの結果を導いた可能性もあります。彼は言わずとしれた「黒人初」の大統領であり、環境問題にも積極的に取り組んだ人物でした。つまり、「黒人の大統領」を良しとしない「人種差別者」が、単にオバマ大統領の「人為的な地球温暖化をどうにかしたい」といった政策を否定したかったのかもしれません。
地球温暖化の主な原因は、人間の活動による温室効果ガスの増加である可能性が極めて高いと考えられています。懐疑論を唱えるのは自由ですが、それにより「大気汚染」や「環境破壊」といった他の要因が正当化されることはありません。
via: zmescience / translated & text by なかしー
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