涙の匂いで活性化する嗅覚受容体を発見!
チームは過去に見つかっている62種類のヒト嗅覚受容体(匂いを検出するタンパク質)に、女性の涙と生理食塩水をさらしてみました。
その結果、4種類のヒト嗅覚受容体が涙に含まれる化学物質に特異的に反応して、活性化することが新発見されたのです。
これらは生理食塩水に対しては無反応でした。
このことは女性の涙に攻撃性を鎮める化学物質が含まれていること、およびヒトの嗅覚の側にもその匂いを受け取る神経システムがあることを証明する革新的な成果です。
涙そのものにはっきりとした匂いはないものの、私たちは無意識的に涙の匂いを感じとっているようです。
以上の結果から、女性の涙には男性の攻撃性を鎮める作用があると結論されました。
一方でチームは本研究について、女性の涙による男性への作用のみを調べた点で限界があり、今後は性別に関係なく涙が相手の攻撃性を緩和させる機能があるかどうかを調べていきたいと話しています。
それに加えて、攻撃性を低下させる因子となった涙の中の化学物質も特定していく予定です。
その有効成分が明らかにされ、人工的に製造できるようになれば、”乙女の涙”みたいな怒り鎮静スプレーが開発できるかもしれません。