毎晩の片付けは「遊び」のため?
専門家によると、動物たちの中にはこのネズミのように、自分の棲家を掃除する種がよくいるといいます。
例えば、アリやミツバチは巣やトンネルから生物の死骸やゴミを運び出しますし、スズメダイ科のガリバルディ(Garibaldi)は生活空間に生えた余分な藻類をトリミングします。
また親鳥たちは雛が食べ残した餌やうんちを掃除して、巣を清潔に保ちます。これには感染リスクの減少や臭いによる天敵からの発見回避の意味があるという。
しかし英ブリストル大学(University of Bristol)の生物学者であるミーガン・ジャクソン(Megan Jackson)氏は、ウェルシュ・タイディ・マウスが居住スペースの清潔さを保つために片付けをしたとは言い難いと話します。
このネズミは小道具が散らかっている台の上を寝ぐらにはしていませんし、生活の拠点にもしていないからです。
また英フランシス・クリック研究所(FCI)でマウスの行動研究をするジョニー・コール(Jonny Kohl)氏は、寒さを和らげるためにネズミが同じような物集めの行動をとる事があるといいます。
しかしその場合も基本的には保温性が高く柔らかい物を選ぶため、硬くて冷たい小道具で暖を取れるとは考えられません。
そこで最も可能性が高いのは「遊びや好奇心のために片付けをする」という説です。
ジャクソン氏によると、多くのネズミには外界に出て物を拾って集め、棲家に持って帰る行動がよく見られるという。
例えば、北米に分布する大型のモリネズミ(Pack rat)などは、人が落とした鍵やネジ、宝石などを巣に溜め込む行動を取ります。
おそらくウェルシュ・タイディ・マウスも散らかった小道具を箱の中に納めるのが楽しくて、片付けを続けている可能性が高いようです。
ジャクソン氏も「この行動はネズミの直接的な生存にとって無意味なので、何らかの形でやりがいを感じているのでしょう」と話しました。
もしかしたらネズミはロドニーさんが小道具を散らかしてくれるのを楽しみにしているのかもしれません。
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