光や重力を感知して成長する植物たち
植物は、視覚も、情報を処理する脳さえも、持っていませんが、森林などの複雑で変化しやすい環境に適応して成長していきます。
例えば彼らは、「光屈性」という性質を持っており、光の方向に向かって成長していきます。
光の刺激を受けると、光を受けていない側の成長が促され、結果として光の方向に向かっていくのです。
また、これとは逆の性質「負の光屈性」を持つ植物も存在します。
例えばつる植物は、大きな木の幹に巻き付いてよじ登っていきますが、木の幹(根元)を見つける際に、光とは逆側に伸びていく性質である「負の光屈性」が役立っていると言われています。
また植物は重力方向を感知して成長方向を調節する性質「重力屈性」もあり、根を地中に向かわせたり、茎を光合成に有利な上方に向かわせたりするのに役立っています。
こうした柔軟性のある性質は、森林だけでなく、人工物であふれる人間社会で生きる植物にも見られており、自然の偉大さと植物の適応力の高さを感じさせます。
もし、これらの性質をロボットに与えることができるなら、「どんな環境にも適応して移動できる自律型ロボット」を生み出すことになるでしょう。
そこで今回、ドトーレ氏ら研究チームは、植物の様々な屈性を模倣したロボットの開発に取り組みました。