自然界に溶け込む生物たち
自然界に溶け込む動物たちを紹介します。
発見するのが非常に難しい写真もありますが、すべての生物を発見できるようチャレンジしてみてくださいね。
アメリカオオコノハズク
アメリカオオコノハズク (学名:Megascops asio)はアメリカ、カナダ、メキシコに生息するフクロウです。
体調は20~25cm程度であり、その小さな体を樹洞(樹木にできた洞窟状の空間)に隠して、擬態します。
小さな隙間に体がすっぽりと収まっている光景を見ると、その可愛さに思わず頬が緩んでしまいますね。
昆虫やげっ歯類、鳥類を捕らえて食べ、時に自分よりも大きな獲物を殺すこともあるのだとか。
体毛は、赤型、赤褐色型、灰色型の3種が確認されています。
ヨーロッパエビジャコ
ヨーロッパエビジャコ(学名:Crangon crangon)は、北東大西洋に広く分布するエビの一種です。
体長は30~50mm程度であり、茶褐色の体を持ちます。
そして独特な模様は、砂地において保護色となり、体の輪郭を隠すのに役立っています。
この写真では、ヨーロッパエビジャコに接近しているため比較的見分けやすいですが、少しでも離れてしまうと発見するのは困難です。
夜行性であり、昼には触角のみを出して砂に潜ると言われています。
まさに徹底的なカモフラージュであり、こうした特性は外敵から身を守るのに大きく役立つことでしょう。
ムラサキシャチホコ
ムラサキシャチホコ(学名:Uropyia meticulodina)は、日本や中国、ロシア南東部に分布する蛾の一種です。
翅を広げた状態では45~55mmであり、見た目も一般的な蛾と変わりありません。
ところが、その翅をカールさせることで、まるで枯葉のような見た目になります。
色・模様・形すべてが本物の枯葉のようであり、落ち葉の中からムラサキシャチホコを見つけるのは至難の業です。
ただし、緑色の葉の上にとまっていることもあり、出現期の4~6月と8~9月であれば、発見できるかもしれません。
オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼ(学名:Synanceia verrucosa)は、インド洋・太平洋西部の熱帯域に分布する魚類の一種です。
サンゴ礁などの浅い海に生息しており、日本であれば奄美大島や沖縄周辺で見ることもできます。
体長は40cmほどで、全身がコブ状の突起やくぼみに覆われています。
岩に擬態し、じっと動かずに獲物を待っている姿が観察されています。
色や形が岩に似ているだけでなく、体の大部分を砂の中に埋めていることも多く、発見するのは簡単ではありません。
背びれのトゲからは強力な毒液を分泌するため、人間にとっても非常に危険な魚です。
サンカノゴイ
サンカノゴイ(学名:Botaurus stellaris)は、ペリカン目サギ科に分類される鳥類の一種です。
ユーラシア大陸中部やアフリカで繁殖し、北方の個体は、冬季に東南アジアやインド、アフリカに渡ります。
日本では、北海道・滋賀県・茨城県・千葉県などで繁殖が確認されています。
全長は約70cmであり、黄褐色の体と黒褐色のまだら模様が特徴です。
この迷彩色により、彼らが生息する葦原では周囲と見分けるのが困難です。
またサンカノゴイは警戒心が強く、警戒時には顎を長く伸ばすため、発見が一層難しくなります。
ピグミーシーホース
ピグミーシーホースは、指先ほどのサイズのタツノオトシゴの仲間です。
現在では、世界で10種ほど確認されており、その最初に見つかったのが「Hippocampus bargibanti(ヒポカンパス・バルギバンティ)」です。
Hippocampus bargibantiは日本南部、インドネシア、オーストラリア北部などの水深10~40mの海域で見られます。
世界最小のタツノオトシゴの一種であり、体長は2cm以下です。
灰色の体に赤いコブが付いたタイプと、黄色の体にオレンジ色のコブが付いたタイプが確認されています。
その見た目はサンゴに非常によく似ており、サンゴの中に紛れ込んだHippocampus bargibantiを見つけることは困難です。
上の写真で発見できない方は、印付きの下の写真で確認してみてください。
印で場所が分かったとしても見分けることは難しいですね。
ここまでで周囲の物や植物に擬態する生物たちをいくつか紹介してきました。
自然界にはもっと多くの擬態する生物たちが存在します。
自然を観察したり写真を見たりする時、「もしかして生物が隠れていないかな」と探るなら、新しい発見があるかもしれませんね。