40Hzの音と光はアミロイドβを脳内から除去する
最近、アルツハイマー病治療にかんする極めて興味深い現象が発見されました。
その現象とは、毎秒40回(40Hz)の光や音の刺激を行うだけで、アルツハイマー病の要因の1つと考えられているアミロイドβが脳内から現象するというものです。
これまで脳内に存在するアミロイドβに対処するには、アミロイドβを除去したり生成を邪魔する化合物を用いた、生化学的な手段が用いられてきました。
しかし新たな方法は単に、40Hzの刺激を行うだけで、薬を飲む必要すらありません。
この画期的な治療法が発表されると、直ぐに高い注目を集め、製薬会社をはじめとした多くの企業が、40Hzの周波数を利用した対アルツハイマー病の機器の開発に着手することとなりました。
また動画サイトなどでは「アルツハイマー病に効果がある」として40Hzの周波数を流す動画が乱立することになりました。
(※40Hzの音は人間の可聴域ギリギリにある低音であり、音階では極低音の「ミ(E1)」(41.203Hz)に近くなっています。)
また日本の塩野義製薬とピクシーダストテクノロジー社などでは、テレビやラジオの音をリアルタイムで40Hzの音「ガンマ波サウンド」に偏重できる特殊な技術を開発しています。
しかし「なぜ40Hzの刺激がアミロイドβを除去できるのか?」「なぜ他の周波数ではダメなのか?」「どんな仕組みでアミロイドβが除去されるのか?」といった根幹となる原理やメカニズムについては、多くが謎に包まれていました。
そこで今回MITの研究者たちは、40Hzの刺激がアミロイドβを除去するメカニズムを解明する実験を行うことにしました。
なぜ音や光だけで、脳内からアミロイドβを除去できるのでしょうか?