面接の順番が後になればなるほど否定的な印象を持たれやすいと判明
研究チームは、系列位置否定効果(Serial position negativity effect)が生じるのか調べるために、いくつかの実験を行いました。
1つ目の実験では、992人の参加者に、20人の人物のFacebookのプロフィール写真を順番に見てもらい、彼らについて説明してもらいました。
その結果、参加者たちは、最初の数人の人物を非常に肯定的に説明し、その説明に、それぞれ平均6.2語の肯定的な単語を用いました。
しかし、一連の作業が進むにつれて、参加者たちの説明は大幅にネガティブなものとなり、20人目の人物の評価では、肯定的な単語の平均数が4.7語にまで減少しました。
人物の写真を見た時にイメージとして浮かぶ「誠実」「爽やか」「知的」などの肯定的な単語は、その人の評価に大きく関わります。
それが、順番が違うだけで平均して1語以上減ってしまうのは、かなり大きな影響と言えるでしょう。
別の実験では、987人の参加者(男性と女性の数はほぼ同じ)に、人気テレビ番組『バチェラー』で自己紹介する女性の短い動画を見せ、その女性たちについて評価してもらいました。
この『バチェラー』は、「才色兼備の1人の独身男性(バチェラー)を、複数の女性が取り合う婚活リアリティ番組」です。
そのため参加者は、自分がバチェラーの立場になって「最も素敵な女性」を選ぶかのように、女性たちの印象をそれぞれ説明してもらいました。
その結果、参加者たちは、紹介動画を順番に見ていくにつれ、女性対して抱く印象が否定的になりました。
紹介動画の順番は参加者それぞれでランダムに並べられていましたが、それにもかかわらず、10人目の女性は最初の女性よりもかなり否定的に語られる傾向がありました。
この原因として参加者たちは、多くの女性の紹介動画を見るにつれて、最初の女性では魅力的に感じていた要素を、後半では当たり前の要素と感じるようになってしまう点が上げられます。
例えば、最初の人に対しては「笑顔が素敵だ」と高評価しますが、そのような人をたくさん見ていくにつれ、最後の方では「笑顔なのは当たり前」「ほかに良い点はないのか」と感じてしまうのです。
これらの実験から、「順番が後になればなるほど、否定的な評価を下しやすい」という系列位置否定効果(Serial position negativity effect)が確認されました。
そのため、自分が何かの志願者であるなら、なるべく最初のタイミングで評価してもらうよう工夫すべきだと分かります。
例えば面接であれば、エントリーした順番に面接を行う会社もあります。
そのため、応募期限に余裕があるからといってぐずぐずするのではなく、素早くエントリーを済ませるべきかもしれません。
そのちょっとした行動と順番の違いが、採用と不採用を分けることになるかもしれないのです。
また、この効果はマッチングアプリなどにも応用できるかもしれません。
「なるべく最初の方に表示してもらうように工夫する」ことで、異性からのアプローチが増える可能性もあるでしょう。
もちろん、自分が「飛びぬけて優秀・魅力的」であることを示せる自信があるなら特に意識する必要はありません。
先にも説明した通り、これは多くの人に共通する要素の評価があとに行くほど下がるという点に原因があるため、他から飛び抜けた要素を持つ人には当てはまらない傾向の可能性があります。
しかし大抵の場合は、「選んでもらえる可能性を少しでも高める」ために、順番を意識したほうが無難なはずです。