ワニの性器はコラーゲンが密に詰まったもの
ケリー氏らがワニの男性器を詳しく解剖したところ、ヒトと同じような海綿体は存在しないことが判明しました。
オスワニの性器には血流を取り込むシステムもなく、代わりにコラーゲン繊維が網の目状に密に詰まっていることで性器が作られていたのです。
そのため、性器に膨張と収縮の機能はなく、常に勃起しているような硬い状態を保つ仕組みになっていました。
さらに性器の付け根を調べると、複数の筋肉や腱のセットが見つかります。
ワニはこの付け根の筋肉や腱をゴムバンドのように伸ばしたり縮ませることで、性器を総排出腔から出し入れしていたのです。
ケリー氏らはワニの性器と、平常時と勃起時を使い分けている哺乳類や鳥類、カメの標本から得た性器を使って、血液の代わりに生理食塩水を満たす実験をしてみました。
すると哺乳類、鳥類、カメの性器は生理食塩水によって長さや直径が変わりましたが、ワニの性器だけは長さも形もまったく変わりませんでした。
この結果からケリー氏は「ワニの性器は他の多くの動物とは仕組みがまったく異なることが確認された」と述べています。
男性の皆さんからすれば、性器にOFFモードがなく、常に臨戦態勢にあることは不自由きわまりないと感じるでしょう。
しかしワニからすれば、性器のON・OFFモードをいちいち切り替える方が面倒で、必要なときに格納庫から出し入れする方が楽チンなのかもしれません。