国の命運を賭けた世紀のマジック対決!
1850年代に入り、フランス領のアルジェリアで、イスラム教の一派である「聖者崇拝思想(マラブーティズム)」が勢力を拡大し、力を強めていました。
彼らのトップたちは自らをマラブー(聖者)と名乗り、人々に大道芸的な奇術を見せることで大衆を扇動し、フランスに対して「反旗を翻そう!」と武装蜂起寸前の状態になっていたのです。
例えばマラブーたちは衣服に火をつけても燃えない奇術を見せていたといいます。
これを受けて、フランス政府は軍事的に制圧するのではなく、マラブーの奇術が見劣りするような腕前を持つマジシャンを送り込んで、マジック対決をさせようと考えました。
そこで白羽の矢が立ったのがウーダンだったのです。

ウーダンは1856年に単身アルジェリアに渡り、マラブーの有力者や一般民衆が集まる中でマジックを披露しました。
このとき披露したマジックの一つが「重さの変わる箱」でした。
彼は観客の一人をステージ上に招き、取手の付いた箱を持ち上げさせます。
次に「この人物の力を弱らせます」と言って魔法をかけると、今度は箱がびくともしなくなるというものです。
これは箱の中に仕込んだ電磁石を使ったトリックであり、遠隔操作によって箱を重くすることができました。
電磁石の知識などない観客たちはウーダンを「超自然的な力の持ち主だ」と信じ込んだといいます。

これに屈辱を受けたマラブーの一人が「ヤツは詐欺師だ!」と非難し、ウーダンに銃を使った決闘を申し込みました。
しかしウーダンは動揺の色を見せることもなく、この申し出を快諾。
そして翌日、人々が見守る中、ウーダンはマラブーの放った弾丸を「歯で咥えて受け止める」という驚愕のパフォーマンスを見せたのです。
当然ながらこれもウーダンのトリック。彼は事前に決闘用の弾をニセの弾丸にすり替えていたのです。
これにはマラブーたちも完全にお手上げで、フランス政府の目論見通り、彼らに敗北感を与えることに成功しました。
アルジェリアの大衆もウーダンの超常的な力を認め、マラブーへの関心が薄れていきます。
こうして影響力が急落したマラブーたちは武装蜂起を断念。世紀のマジック対決はウーダンの完全勝利で幕を閉じました。

ウーダンはその後、外国を旅したり、自叙伝を書くなどして余生を過ごしたのち、1871年6月13日にパリ郊外の別荘で肺炎により亡くなっています。
65年の生涯でした。
ウーダンは生前に「マジシャンとは魔法使いを演じる役者である」という言葉を残しています。
この言葉は「マジックパフォーマンスにはトリックだけでなく、舞台演出や演技力、芸術性が大切である」ことを教える名言として、後世のマジシャンたちに多大な影響を及ぼしたのです。























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知らない偉人を教えてくれた
素晴らしい記事
今そこにある楽しいよりもさらならる楽しいを与えた上に和平をもたらした紛うことなき偉人
語呂合わせでウーダンという名前の人物を探していたとき検索に引っかかったが
奇術対決でカルトの国家転覆阻止とは知らなんだ
フーディーニの元ネタ(フーディーニは芸名)
知らなかった。
勉強になりました。
お邪魔します。
一神教に於いては奇跡と言うか「起こりえない事を起こす(海を割る、触れるだけで病を治す、死者を蘇らす等)」事が「創造神の意を受けた証」とされます。物理法則等を変更できるのは宇宙を創造した神「だけ」だからです。であるからマラブーは「創造神の意を受けたのは自分ではなくウーダン」である事を認めざるを得ない状況に追い込まれたという事ではないかと思われます。単なる「神通力比べ」ではないのではないでしょうか。尤もイスラム教の始祖ムハンマドはイエス・キリストと違って特に奇跡は起こしておらず、その事をキリスト教徒に揶揄されると「聖典クルーアンこそが最大の奇跡である。」と言い返していると聞いた事がありますが。
ドラマ・トリックでもよくでてきますね
奇跡じゃない奇跡は神に対する冒涜だというのがアブラハムの宗教の統一見解だと思いますけど、よくそんなことをしようと思ったなっていう。
フランスによるアルジェリアの植民地支配は、圧政による主権蹂躙そのものであり、一般的にフランス史の「恥部」だとされているはず。参照元の記事はあくまでユニークな個人史として書かれている。そのため「マジックで母国を救った」というのは、ナゾロジーのライターが挿入したものだと見られるが、歴史認識への不見識がはなはだしいのではないか。
弾丸を歯で咥えて受け止めるマジックを見てみたい