正体は羽毛恐竜「コエルロサウルス」の子供!
調査の結果、琥珀に保存されていた茶色い物体は、約9900万年前に存在した恐竜の「尻尾断片(長さ37ミリ、椎骨が8個)」であることが判明したのです。
その恐竜の種類も羽毛を持つ「コエルロサウルス類」の一種であることが特定されました。
大きくなればダチョウほどのサイズまで成長しましたが、琥珀に保存された尻尾の持ち主はまだ幼体だったらしく、全体でもスズメ程度の大きさしかなかったと見られています。
体が小さくて弱かったため、樹液に捕まったまま動けなくなったのかもしれません。
あるいはすでに瀕死か死体になっていたところを樹液に飲み込まれた可能性もあります。
こちらが琥珀に囚われたコエルロサウルスの幼体の復元像です。
また鳥類との違いもはっきりと見分けられています。
研究者によると、鳥類の「尾椎骨(びついこつ)」は互いに癒合して「尾端骨(びたんこつ)」という一つの骨を形成し、尾羽をまとめて動かせるようになっていますが、琥珀標本にはそれがありませんでした。
代わりに尾椎骨の関節がちゃんと分かれており、しなやかに可動したと見られることから、明確に恐竜の尻尾と断定されています。
また琥珀の中で3次元的に保存されていたおかげで、恐竜の尻尾の羽毛の構造をつぶさに観察することができました。